女子サッカー日本代表・なでしこジャパンは2月、パリ五輪の出場権をかけたアジア最終予選。北朝鮮戦に勝利し、パリへの切符をつかんだ。
なでしこジャパンを中盤で支えるボランチ、長野風花（25）にパリ五輪について話を聞いた。
長野：
もう本当に興奮しています。
隠し切れない笑顔で語る長野選手。
長野：
もうずっと待ちわびてたので、キャンプにも入って、これから始まるんだなっていう、いよいよそういう気持ちもありつつ、もう本当に興奮してます。
五輪代表入りを真っ先に報告した人を尋ねると。
長野：
やっぱり家族は一番応援してくれている存在なので、すごく家族喜んでくれましたし、友達からも「すごいね」って、「頑張ってね」っていう言葉をたくさん貰いました。
夢から目標へ
長野は幼少期から飛びぬけた人材として、国際的にも注目を浴びて来た。
5歳の時に兄の影響でサッカーを始め、2014年に15歳で「なでしこリーグ」でデビューを飾ると、飛び級で参戦したU-17ワールドカップで優勝。
2年後の2016年には2度目のU-17ワールドカップに出場して準優勝＆大会MVP、そしてAFC最優秀ユース選手も受賞。そこから韓国リーグへと移籍。2018年に19歳でなでしこジャパンデビュー。その後埼玉、仙台、アメリカと移籍し、現在はイングランドの名門リヴァプールに所属している。
そんな世界レベルで活躍する長野にとって、オリンピックとはどのような舞台なのだろうか。
長野：
オリンピックは本当に小さい頃からサッカーだけじゃなくて、いろんな競技も見てきました。やっぱり私はずっと目指してきた大会だったので、そこに自分が出場できるっていうのはすごく嬉しいし、光栄なことだなと思います。
夢の舞台オリンピック。幼少期に芽生えた憧れが大きく変化したきっかけは、やはり先輩なでしこの活躍だ。
長野：
北京五輪の時に、夏休みの自由研究みたいなもので、記事を新聞にするみたいなことをやった事があるんですが、澤さんがゴールを決めたりして、私もあの舞台に立ちたいってすごく思いました。
この試合を見て長野の夢は目標へと変わった。
しかし、2021年の東京五輪は招集なし。今大会が自身初の出場となる。
今では池田ジャパンに欠かせなくなった長野は、なでしこジャパン不動のボランチとしてゲームをコントロールし、体を張ってチームを支えている。
池田監督との”優勝”という絆
池田太監督との出会いは2018年U-20ワールドカップ。フランスで開催されたこの大会が、池田監督にとって女子日本代表としての初陣だった。
長野選手は決勝までの6試合全てにフル出場し、日本女子サッカー史上初となる優勝に大きく貢献した。
アンダー世代を経て、今度は五輪の舞台で世界の頂点を狙う二人。そこには特別な絆が存在している。
長野：
初めて太さんが女子(代表の監督)を見たのが、私たちのこの世代だったっていうこともありますし、フランスで太さんと世界一になれて、またそのフランスで戦える。太さんと一緒に世界一を目指せる機会があるっていうのはすごく嬉しいことです。
託された背番号「10」
サッカーにおいて背番号「１０」は特別な番号だ。チームのエース。核となる選手に与えられる特別な番号に他ならない。
なでしこジャパンでもロンドン五輪の澤穂希、東京五輪では岩渕真奈など錚々たる選手が付けてきた。
池田監督と共に戦った長野への信頼は大きく、2022年から背番号「10」を託されている。
この番号を託した当時の池田監督は「なでしこジャパンにとって特に重みのある番号ですが、『彼女なら説明せずとも責任感を持って戦ってくれるだろう』という信頼感がありましたので、託しました」と語っている。
最後にパリ五輪に向けた目標を長野に聞いた。
長野：
もちろんチームとしても個人としても金メダルですし、個人としては、とにかくチームに貢献したいっていう思いしかないです。あとは目に見える結果、アシストだったりゴールっていうのをもっともっと狙っていきたいですし、本当にチームのために泥臭く戦いたいと思います。
なでしこジャパンはこの週末、国内最後の強化試合を戦う。場所は2024年2月に完成した金沢の新スタジアム。この試合は能登半島地震の復興支援マッチとしても開催される。
2011年、東日本大震災が発生した年にワールドカップでなでしこジャパンが優勝したように、なでしこジャパンの力強いプレーが、被災地の人々の希望となりパリへの弾みとなるかも知れない。彼女たちの全力プレーに注目だ。
MD＆ADカップ2024 なでしこジャパン×ガーナ
7月13日(土)午後3時～フジテレビ系列生中継https://www.fujitv.co.jp/sports/soccer/nadeshikoJAPAN20240713/index.html
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