石川高専―金沢錦丘 継投の松井(右)に声をかけて励ます福村=2024年7月12日午後4時29分、石川県立野球場、小崎瑶太撮影

 (12日、第106回全国高校野球選手権石川大会1回戦 石川高専8―1金沢錦丘)

 金沢錦丘の捕手、福村健主将(3年)は何度もマウンドに駆け寄った。投手の背を優しくたたく。

 初回に2点を先取される苦しい展開。点差を広げられ、2年生投手3人が継投した。

 「とにかくミットめがけて、いままでやってきたように投げ込んで」。自身の焦りはのみ込んで後輩を励まし続けた。

 自分は、そんな風に包んでくれる先輩がすぐにいなくなった。1年の夏の大会後、当時の2、3年生が全員引退。一時選手5人とマネジャーだけになったという。そんな中でも「他よりも多く練習できるね」と前向きに取り組んできた。

仲間に声をかける福村健主将=2024年7月12日午後3時55分、石川県立野球場、小崎瑶太撮影

 ずっと一緒にいてくれた安黒千紘マネジャー(3年)は記録員としてベンチ入り。劣勢でも「まだ、終わっていないよ!」と声をかけ続けた。そんなマネジャーにも夏の1勝を届けたかった。

 試合を終えて福村主将は、涙を浮かべながら「みんなには、ありがとうと伝えたい。これからも仲良くできれば」と話した。(小崎瑶太)

ベンチから声をかける安黒千紘マネジャー=2024年7月12日午後4時12分、石川県立野球場、小崎瑶太撮影

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