（12日、第106回全国高校野球選手権新潟大会2回戦 小出1―4長岡商）
「このまま長商に負けっぱなしでいいのか」。小出は試合前、円陣を組んで気合を入れた。昨年春の県大会で敗れた相手が長岡商だった。
そんな試合で存在感が光ったのが、身長154センチと小柄な2年生野上虎太郎。二塁の守備では俊敏な動きで左右の難しいゴロをさばいた。打撃でも三回、チームの初安打を右前に放ち、後続の連打で先制のホームを踏んだ。チームも中盤までは、先発遠藤三生（3年）が3安打無得点に抑え、小出ペース。しかし、五回に1点を失い、七回に後を継いだエースの金沢晴太（3年）が打ち込まれ、逆転を許した。
野上は三回の安打について「塁に出て流れをつくろうとだけ考えた」と振り返った。ただ七回は2死二、三塁の好機で打順が回ってきたが三振。野上は「先輩たちがずっと引っ張ってきてくれた。何が何でも打ちたかった」と話したが、あとは涙で言葉が続かなかった。（久保田正）
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