(12日、第106回全国高校野球選手権佐賀大会2回戦 有田工4―2早稲田佐賀)

 延長タイブレークの末、第3シードの有田工に敗れた早稲田佐賀は、打撃に自信を持って臨んだ大会だった。初回に1死二、三塁の好機をつくり、4番打者の山元良介主将(3年)が狙っていた直球を打ち返し、右犠飛で1点を先制。二回にも1点を加え、試合の主導権を握った。

 しかし七回の2死三塁、九回の2死二塁では、いずれも山元主将が申告敬遠で歩かされ、後続がおさえられた。「山元が打てる場面をつくってやれなかった」と古賀一則監督は悔やむ。

 チームの選手の出身地は関東から関西、九州まで15都府県に及ぶ。「九州の子がガツガツしているのに対し、関東にはゆるやかな子もいる。最初はしょっちゅう衝突していた」と古賀監督は言う。

 そんなチームをまとめたのが山元主将。同級生全員に推されて主将を引き受けた。試合に負けると、「これでいいのかと悩むこともあった」。そんな時は仲間と話し合って、どうすべきか考えてきた。

 「今日はいい試合だったと思う。下級生にしっかり頑張ってもらいたい」。自身も卒業後、野球を続けるつもりだ。(小陳勇一)

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