(11日、第106回全国高校野球選手権神奈川大会2回戦 市ケ尾6-3平塚学園)
「ガチンコ勝負。やってやろうじゃん」
6月の組み合わせ抽選会で、初戦の相手が私立の実力校と分かっても、県立市ケ尾のエース右腕、古川太陽(3年)はひるまなかった。
「いつも通りやるだけ」。県内外の強豪校と練習試合を重ね、「配球の組み立ての幅が広がって自信になった」。
この日は、カットボールやスライダーなど変化球を丁寧に投げ分け、時には内角を鋭く突いて強気に攻めた。
捕手の古沢望(3年)とは入学当初からバッテリーを組んでいる。試合中にケガを負いながらも「引っ張ってやるよ」と鼓舞してくれた相棒を「100%信じて投げた。展開を見ながら落ち着いてプレーできた」。相手の応援のリズムに合わせて体を揺らし、「ピンチも楽しめた」と笑った。
打線の中軸としても、1点差に詰め寄られた九回表、真ん中高めの直球に反応。外野深くに運び、走者を2人返して相手を突き放した。九回裏にマウンドに立つと、走者を出しながらも最後のアウトを取りきり、「正直、ほっとした」。6―3で平塚学園を破り、駒を進めた。
継投が基本のチームだが、九回を投げきり、被安打6、7奪三振。「100点に近い投球ができた。でも、この試合は僕たちにとっては通過点。ベスト8に行きます」(手代木慶)
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