(11日、第106回全国高校野球選手権神奈川大会2回戦 慶応14―3横須賀学院)

 昨夏の甲子園で107年ぶりに優勝を果たした慶応が初戦に臨み、13安打の猛攻で七回コールド勝ちした。

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 相手先発は1回戦で登板がなく、「データがない」(森林貴彦監督)投手だった。一回の攻撃は相手の緩い球を打たされ、あっけなく三者凡退。だが、すぐさま選手間で情報を共有し、コンパクトなスイングを徹底。二回に青木祐貴(2年)の先制適時打など単打3本と犠飛で3点を奪い、主導権を握った。

 「意外と長かったですね」。捕手で主将の加藤右悟(3年)は1年間をこう振り返った。

 史上7校目となる夏の甲子園連覇へ。日本一の原動力になった強打者の加藤やエース小宅雅己(2年)が残った現チームの期待値は高かったが、苦しんできた。

 秋と春はいずれも県8強にとどまり、それぞれ桐光学園と横浜に力負けした。

 チームの目標はあくまでも日本一で、ぶれない。ただ、森林監督は一歩ずつ駆け上がっていくことを強調する。

 「県ベスト8のチームが日本一と言っても遠くぼやけてしまう。まずは県のベスト8に入る。それから神奈川での優勝を経由して、日本一をめざそう。選手たちにはそう話しています」

 四回には2失策と投手の暴投などで3点を奪われた。捕手の加藤は「投手に声をかけに行くタイミングが難しかった」と反省しつつ、身を引き締めた。

 「大会でしか得られない経験があると思うので、成長につなげて、前向きにがんばっていきたい。やっぱり、チームの結果が出ないと楽しくないので」

 先発メンバーには2年生も多く、加藤はチームの伸びシロを信じる。甲子園にチーム全員で優勝旗を返還しに行き、今年も長い夏するつもりだ。(大宮慎次朗)

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