(11日、第106回全国高校野球選手権兵庫大会2回戦 神戸国際大付6―4滝川)
外野手から投手に転向して1年弱。敗れたものの、古豪滝川の2年生右腕・新井瑛太が投打に活躍し、優勝候補の神戸国際大付を苦しめた。
178センチ、78キロ。最近では珍しいワインドアップから投げ下ろす本格派だ。指にかかった直球は糸を引くように伸び、最速151キロを誇る。
強肩を買われて投手に転向したのは昨秋の新チームから。砂浜で走り込むなどして下半身を鍛え、球速が上がったという。
この日はネット裏のプロ野球スカウトのスピードガンで147キロを計測した。だが、変化球の制球に苦しみ、ストライクを取りにいった直球を狙い打ちされた。7回を投げて8安打5失点。124球と球数もかさんだ。
4―4の七回2死三塁。スライダーが引っかかってワンバウンドの暴投となり、決勝点を奪われた。「力んでしまいました。置きにいった甘い球を打たれるなど、(投手としての)ボロが出たという感じです」
ただ、3番打者としてもセンスと意地を見せた。
同点の二回2死満塁、低めの直球をすくい上げる。一時勝ち越しとなる、走者一掃の右中間三塁打を放った。「4番につなげるつもりだった。直球一点張り。うれしかったです」
3打数3安打3打点。4打席目は申告敬遠と、勝負を避けられた。
昨夏は外野手として出場し、今春の選抜大会で準優勝した報徳学園の今朝丸裕喜と間木歩から安打を放っている。
投打二刀流で実力の片鱗(へんりん)を見せた2年生。ネット裏のスカウトも「打者としての力は分かっている。投手としての経験を積んで、勝てる投球を覚えれば、来年が楽しみ」と話す。
新井は「制球や体力面の課題が出た。秋に向けてやり直したい」と次を見据えていた。=明石トーカロ(稲崎航一)
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