開会式で整列した選手たち=2024年7月10日午後、富山市民、浅野正大撮影

 第106回全国高校野球選手権富山大会(朝日新聞社、県高校野球連盟主催)の開会式が10日、富山市民球場であった。朝から雨が断続的に降り、会場をグラウンドから屋内練習場に変更。参加40チーム(43校)から主将とプラカードを持つ選手の2人ずつが参加した。

 開会式が室内で行われるのは1997年の第79回大会以来。式は午後3時半に始まった。行進はなくなったが、先導役に決まっていた高岡南の森田葵泉(あおい)さん(3年)や、大会プラカード、高野連旗などを持つ予定だった生徒も一緒に整列した。

 昨夏優勝の富山商・鶴田尚冴(しょうご)主将(3年)が優勝旗を返還。県高野連の亀谷卓朗会長は「この大会のために、選手のみなさんは懸命に練習に励んできたと思います。苦しい場面でも仲間を信じ、最後まで諦めずに戦ってほしい」とあいさつ。朝日新聞富山総局の小西良昭総局長が「甲子園球場ができて100年。みなさんのためにできた球場です。最高の夏にしましょう」と激励した。

優勝旗を返す富山商の鶴田尚冴主将=2024年7月10日午後、富山市民、浅野正大撮影

 試合は13日に始まり、4球場で熱戦が繰り広げられる。順調に進めば決勝は27日午前9時から、富山市民球場で行われる。(前多健吾)

宣誓「富山野球史に残るよう、全身全霊で」

 富山国際大付の瀬端咲(しょう)主将(3年)は、選手宣誓に高校野球への思いや身近な人への感謝を込め、力強く決意を述べた。

 元日に発生した能登半島地震にも触れ、「大切な仲間とこの大会を迎えられたのは、家族、指導者ら多くの人のサポートがあったから。一生懸命プレーすることが、その恩返しになる。富山県高校野球史に残る夏になるよう、全身全霊でプレーします」と誓った。

宣誓する富山国際大付の瀬端咲主将=2024年7月10日午後、富山市民、前多健吾撮影

 宣誓の内容は5日の抽選会の後、島実沙樹監督や国語の先生と考えたという。「開会式が室内になったのは残念だったけれど、参加チームの思いを伝えられたと思う」と振り返った。試合に向け、「優勝して甲子園に行きます」と話した。(前多健吾)

息ぴったり、司会のマネジャー2人

司会の松下友梨香さん(左)と矢部珠里さん=2024年7月10日、富山市民、法野朱美撮影

 司会進行で息の合った連携をみせたのは、高岡の松下友梨香さん(3年)と高岡龍谷の矢部珠里さん(同)。ふたりは野球部のマネジャーで、1年生のころに公式戦がきっかけで仲良くなり、部活での悩みを相談し、チームの枠を越えて支え合ってきた。抽選で司会に選ばれたときも、「3年間頑張ってきてよかった」とLINEで互いに喜び合ったという。

 松下さんは「雨で入場行進ができなくて残念だったけど、選手の背中を押す役割ができていたらうれしい」。矢部さんは「司会は初めてだったけど、緊張せずにうまくできた」と笑顔を見せた。

 試合は13日から始まる。松下さんは「どんな場面でもやりきって完全燃焼の試合を!」、矢部さんは「全力で試合を楽しんでほしい」とエールを送った。(ライター・法野朱美)

球場へは公共交通機関をご利用ください

 第106回全国高校野球選手権富山大会の入場料は一般800円、高校生100円、中学生以下無料です。球場の駐車場は混雑が予想されます。収容台数に限りがあるため、公共交通機関の利用や、マイカーの場合は乗り合わせてお越し下さい。

 暑さ対策にも十分ご留意ください。

富山大会のパンフレットを販売中です

 第106回全国高校野球選手権富山大会(朝日新聞社、富山県高校野球連盟主催)の参加43校を紹介したパンフレットを販売中です。各校の集合写真、チーム紹介や部員名、出身中学などを載せました。昨夏の富山大会の記録や県勢の甲子園での戦績も巻末に収めました。

 A4判、約50ページ。税込み501円。富山県内の大半のローソン、主な書店、朝日新聞富山総局(富山市新桜町6の18、電話076・441・1671)でもお求めいただけます。試合のある日は、球場でも販売する予定です。

第106回全国高校野球選手権富山大会パンフレットの表紙

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