(10日、第106回全国高校野球選手権京都大会2回戦 同志社国際9―2紫野)
2―4で迎えた七回裏。紫野の副キャプテン得能(とくのう)知己(ともき)さん(3年)はレフトから声を出し、ほかの選手たちを励まし続けた。ただ、同志社国際との点差は広がっていく。
それでも、得能さんは笑顔だった。
「チームを明るくするのが自分の役目」
中学までは卓球部。高校入学後、友だちに誘われて野球部を見学した。先輩たちは、やさしく、楽しげな雰囲気だった。入部を決めた。はじめはユニホームの着方すらわからなかったが、監督やチームメートが一から教えてくれた。
最後の夏。「プレーで良いところをみせて、皆に恩返ししたかった」
3回打席に立ったが、満足できるプレーはできなかった。ただ、最後まで笑顔で仲間を鼓舞し続けた。
7点差をつけられ、コールド負けが決まった。その瞬間、笑顔は涙顔に変わった。
試合には悔いが残ったが、涙をこらえながら言った。
「野球部に入って本当に楽しかった。そのことは後悔してません」(関ゆみん)
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