徳山投手はおととし、ドラフト2位で早稲田大学から入団し即戦力投手として大きな期待を受けていましたが、これまで意識せずにできていた動作ができなくなる運動障害「イップス」を発症し、入団から2年間は1軍での登板はありませんでした。
それでも周囲の支えを受けながら地道なトレーニングなどをへて今シーズン、プロ初登板を果たすまでに克服し、9日の試合前までに28試合に登板して、防御率は2.54とリリーフとしてチームの勝利に貢献していました。
そして9日夜、横浜スタジアムで行われた中日との試合で同点の延長11回に7人目で登板し、2つのフォアボールを出すなど苦しいピッチングとなりましたが、キャッチャーの山本祐大選手が2度にわたり出塁したランナーを刺すなど味方の守備にも助けられて1イニングを無失点で切り抜けました。
試合はそのウラ、2アウトからオースティン選手のサヨナラホームランで6対5で勝ち、徳山投手にプロ初勝利がつきました。
試合後、徳山投手は、本来のピッチングではなかった中での初勝利ということもあり「自分が思い描いていた初勝利はしっかりと抑えてそのウラにチームが打って勝つというイメージだったが、そうはならず悔しい内容になってしまった。ただ、いい意味で捉えると今まで頑張ってきたから運が巡ってきたのかなと思う」と振り返りました。
またイップスを克服して初勝利を挙げたことについては「ファンの方などからSNSのメッセージで『イップスを治したい』という連絡をたくさん受ける。克服方法は人それぞれになってしまうので返したくても連絡を返すことはできないが、今苦しんでいる人たちに勇気を与えられるよう投げ続けていきたい」とさらなる活躍を誓いました。
そして一番感謝を伝えたいのは両親だと話し「イップスになっていた期間は両親ともに体にじんましんが出るくらい心配とストレスをかけてしまった。ふがいないピッチングで初勝利にはなってしまったが『ここまで応援し続けてくれてありがとう』と伝えたい」と最後は笑顔で話しました。
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