プロ野球・阪神

◇○阪神2―1ヤクルト●(9日・甲子園)

 点が取れず苦しい試合が続いた阪神が、2試合連続で敵失絡みのサヨナラ勝ちで3連勝となった。この日、最後に決めたのは今季、打撃で苦しんできた1番・近本光司だった。

 投手陣が踏ん張って迎えた九回の攻撃だ。ヤクルトの抑えの田口麗斗に、岡田彰布監督は6番からの4者連続代打を仕掛けた。そして、敵失も絡んでつないだ2死満塁で近本に打席が回ってきた。

 押せ押せの展開に近本は「自分がその流れに思い切って乗れるか」。一方で技術的には「タイミングだけ」。球種を絞らず1ボールから、2球続けたスライダーが高めに抜けてきたところを逃さず、引っ張った打球は詰まりながらも右前へ落ち、二塁走者の原口文仁までも生還した。

 試合後、近本は試合前のエピソードを明かした。選手が集まった声出しで原口が「大きな波に乗れるチャンスが来てる」とチームを鼓舞したという。相手のミスにつけ込み、小差の試合をものにするのは阪神の強さでもある。この連勝で波に乗れるか。【荻野公一】

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