（9日、第106回全国高校野球選手権熊本大会1回戦、必由館6―0小川工）
六回裏1死一塁の場面で2番打者に2球、ボールが続いた。必由館の中川成剛捕手（3年）はマウンドに足を運び、清田大翔投手（同）に「1アウト。大丈夫だから」と声を掛けた。
6点をリードして、ピンチを迎えたわけでもない。だが、四球で崩れがちな清田投手の不安の芽を摘んでおきたかった。「リズムを変えておこうと、行きました」
この日の清田投手は直球に力があり、中川捕手は試合序盤から「押していける」と感じていた。あとは、どれだけ気持ち良く投げてもらうかに心を砕き、少しでも異変の兆しを感じればマウンド行って声を掛けた。
打席では三回、2点を先制する適時二塁打を放った。終わってみれば相手打線を散発の4安打に抑える完封勝利。攻守で投手をもり立てて、捕手の役割りを十二分に果たした。（吉田啓）
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