(9日、第106回全国高校野球選手権宮城大会1回戦、泉松陵4―5南三陸)

 2人の走者を背負って、延長十回は幕を開けた。プレッシャーのかかる場面で、南三陸の一塁手・西城光瑛選手(2年)はフライを好捕。続けて、六回からマウンドを守る小山理人投手(3年)が併殺に打ち取り、しのいだ。その裏、及川誠也選手(2年)の適時二塁打でサヨナラ勝ち――。

 13人で挑む南三陸は、昨年に校名を志津川から変更して夏は初勝利だ。十回の無失点を、佐藤克行監督は「落ち着いて守る普段の良さがでた」と評価。ほぼ全員が小学校から一緒に野球をしているチームワークの良さも生きた。

 小山投手は2点を追う六回、「流れを変えてこい」と監督に託されマウンドに。雨でぬかるむ足場に苦しみながら三者凡退とし、その後も要所を締めて1失点と試合をつくった。

 夏までに、動画で投球を確認したり、監督に相談したりしながら、異なる球種のボールを同じ位置で手放せるよう努力を重ねた成果が出た。

 「今日は85点」。次は、この日出した四球を出さない。そして仲間もいる。「次勝って、3回戦にいけるように頑張ります」と語った。(吉村美耶)

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