(9日、第106回全国高校野球選手権滋賀大会1回戦 東大津10―3高島)

 7点を追う九回裏無死一塁。高島で1年生の夏から「不動の1番センター」を務める安達世七選手(3年)が打席に入った。直前に弟の仁吾選手(1年)が代打でヒット。「自分が打つよりうれしかった」。兄も続けとばかりに、意地の中前安打を放った。

 高島は昨夏の大会で2勝したが、秋からは部員不足となって安曇川と連合チームを結成。今春に1年生が11人入り、単独で試合に出られるようになった。

 チーム1番の長打力と俊足で監督からの信頼も厚い安達選手は仲間を引っ張った。次第に練習試合で勝てるようになり、手応えをつかんで昨夏を超える8強を目標に今大会に臨んだ。

 最終回の一打は得点にはつながらなかったが、「3年間の思いが詰まった一本でした」。自分たちが成し遂げられなかった夏8強、その先にある甲子園出場は弟ら後輩に託す。「1年生たちは経験豊富。秋、春、夏と絶対に勝ってくれる」(仲程雄平)

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