(9日、第106回全国高校野球選手権神奈川大会2回戦 立花学園6―1相模原弥栄)

 「いせはらサンシャイン・スタジアム」(伊勢原市西富岡)の手書きのスコアボードが、最後の夏を迎えた。1991年の球場完成時から使われ、点数とチーム名は電光掲示だが、選手名や審判名は裏で球児が手書きしている。老朽化が進み、今冬に全面LED化した大型ビジョンに改修される予定だ。

 9日は朝から、今大会の作業を担当する厚木北の野球部の1年生たちが、漢字をひとつひとつ確認しながら、はけで白い文字を書き込んでいった。字を書くのが好きだという石坂謙成さん(15)は「最後に書くことができて、とても良い経験になった」。

 顧問の寺尾洋一さん(64)は球場ができたときから毎年大会委員としてスコアボードに携わってきた。「代打が出たとき、スタンドの家族がボードの名前を見られるように、遅れずに書くことも大事」という。

 老朽化でチーム名の電光掲示が故障し、今大会はこちらも手書きしている。

 蒸し暑いボード裏にはスポットクーラーが設置され、試合の進行に合わせて作業が続く。神奈川大会開催球場で唯一の手書きボードは、間もなく姿を消す。(中島秀憲)

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