(6日、プロ野球 東北楽天ゴールデンイーグルス4―0福岡ソフトバンクホークス)

 試合前、楽天の今江監督がつぶやいた。

 「普通に戦っては分が悪い。こちらから何か仕掛けていかないと」

 ソフトバンクには5月21、22日の2試合で計33失点と屈辱的な連敗を喫した。周東、栗原、近藤……。左打ちの好打者が並ぶ相手打線に、指揮官が選んだ「仕掛け」は左投手をぶつけること。前日の早川に続き、この日も左投手の古謝にマウンドを託した。

 一回。1死から2者連続の四球で一、二塁といきなりのピンチを招く。「ここで逃げたら自分の経験にならないと思った」。ドラフト1位ルーキーは開き直った。

 4番の山川を148キロの直球で空振り三振に。続く5番近藤は146キロで左飛に打ち取った。「今日は走っていた」という直球を主体に6回を2安打無失点。期待に応え、2勝目を手に入れた。

 「これまで右投手でやられてきたから」と今江監督。ソフトバンク打線は、右投手に対して打率2割7分7厘。一方で、左投手には打率2割3分4厘(いずれも5日現在)と苦手にしているデータもあった。

 「仕掛け」が奏功し、左腕2人で2連勝。6カードぶりの勝ち越しも決めた。「(前日の)早川の投球でいい方向にいったんじゃないか。古謝も思い切って投げ込んでくれた」とうなずいた。

 7日も勝てば、2019年5~6月以来、5年ぶりとなる敵地での対ソフトバンク3連勝。予告先発は、左腕の藤井だ。(鷹見正之)

 黒川(楽) 1号2ラン。「(古謝と中島の)同学年が頑張っているので負けたくないという気持ちだった」

 中島(楽) 青学大出身の新人はプロ初先発で2安打1盗塁。「(大学の先輩の)ソフトバンク小久保監督には前日にあいさつした。これで(自分のことを)知ってもらえたかな」

 小久保監督(ソ) 今季最少の3安打で3連敗。「ワーストのゲームだった。左投手の影響? 左だから出場できる選手もいる。結果を残さないとこの世界では飯を食えなくなる」

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。