(29日、プロ野球 広島東洋カープ2―1読売ジャイアンツ)
大歓声に包まれ、ボールがスタンドに届く。
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同点の九回2死。広島の菊池涼介が、巨人の抑え・バルドナードの変化球にバットを合わせる。滞空時間の長い打球は決勝アーチとなり、菊池は「毎試合投手に助けられてばかり。入ってよかった」と喜んだ。
広島は1試合平均得点が約3点と、打力は高くない。この日も3安打。それでも首位を走るのは、リーグ1位の防御率2.04を誇る投手陣を擁するからこそだ。
代表格が大瀬良大地。無安打無得点試合を今月成し遂げた右腕は、この日も安定感抜群だった。コースを突いた直球とカットボールを駆使。奪った19アウトのうち三振は3と、凡打の山を築いた。
それができるのも、野手が手堅い守りができるから。六回1死一塁で、前夜サヨナラ本塁打を放った絶好調の丸佳浩を迎えても、姿勢は変わらなかった。外角の145キロでゴロを打たせる。遊撃の矢野雅哉が捕球し、すばやく二塁の菊池へトス。菊池は肩の強さを発揮して一塁に送球し、併殺に仕留めて危機を切り抜けた。連続無失点イニングを35回3分の1に伸ばした大瀬良は、こともなげに言った。「堅いバックを本当に信頼しきっている。うちのリリーバーも鉄壁なので」
5投手でつないで、最少失点に抑えて勝利。「ロースコアを逃げ切るのが、うちの今やっている野球」と新井貴浩監督。意思疎通の図れているチームは、強い。(堤之剛)
監督と選手のコメント
新井監督(広) 「うちらしい全員野球で、勝ち切った試合だった」
矢野(広) 二回に適時打。「気合です。必死に食らいついていった。先制点につながってよかった」
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