(28日、第106回全国高校野球選手権南北海道大会札幌地区Cブロック2回戦 北海道文教大付―北星大付)

 先行したのは北海道文教大付だった。創部は2021年。一度は廃部していたところを、二つ上の先輩たちが再び立ち上げた。滝口陽大選手(3年)は、雰囲気の良さと、新しいチームで一からできるという他校にはない魅力にひかれ、入部した。

 二回1死一、三塁。一塁走者が盗塁を試みた隙に、三塁の滝口選手が俊足を生かして本塁を駆け抜けた。これまで練習してきた作戦通り。力のこもったガッツポーズとともに雄たけびを上げた。

 中村亮太監督の口癖は「日常生活が野球にもつながる」。机やロッカーを常にきれいに保つ監督を見習い、整理整頓を心がけた。先生の言う通り、部室が散らかりかけると、試合にも負け、きれいに整えると連勝するようになった。

 「監督から学んで日頃からしっかりできる人間に変われたからこそ、最後の試合で一本を出せた。一からのチームで強豪校と競り合えるところまで連れてきてくれた監督には感謝しかない」と何度も目頭を押さえた。(鈴木優香)

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