阪神―中日(26日・甲子園)
いるだけで怖さのある選手が、実際に打った。阪神の6番・佐藤輝明が1軍復帰後、初の打点となる適時三塁打を放った。
四回、2死から5番・前川右京が右前打で出塁し、迎えた打席。中日の右腕・涌井秀章の初球だった。捕手・宇佐見真吾がミットを構えた外角より佐藤の体に近いところに来たカーブを、右手で拾うようにバットに乗せた。佐藤独特の振りだ。「打った感触が良かったのでホームランにならずに悔しい」と表現するように、本人も本塁打を期待するような打球だったが、右翼フェンスを直撃し、適時三塁打となった。6月7日に1軍に再登録されて以来、初の打点だった。
5月14日、敗れた中日戦の終盤に三塁の守備で勝負を左右する致命的な失策を犯し、2軍行き。この時点で打率も2割9厘と振るわなかった。一方、1軍はといえば、その後も慢性的な貧打が続く。長打のある佐藤は相手投手にとって嫌な存在だ。3週間で1軍に復帰し、役割として求められる待望の打点を挙げた。レギュラーシーズンの試合の半分を消化しようとする70試合目で18打点目では物足りないが、調子が上向くきっかけになるか。【荻野公一】
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