都市型スポーツのパリ五輪予選シリーズ最終戦最終日は23日、ブダペストで各種目の決勝があり、スケートボード女子ストリートは吉沢恋(ここ)(ACT SB STORE)が優勝し、3位で東京五輪銅メダルの中山楓奈(ムラサキスポーツ)、4位の赤間凛音(りず)とともにパリ五輪出場を決めた。世界選手権優勝の織田夢海(ゆめか)(サンリオ)は2位ながら獲得ポイントの差で五輪を逃した。男子パークは予選敗退していた永原悠路(太陽ホールディングス)が獲得ポイントにより五輪出場を決めた。
ブレイキンの女子はAMI(湯浅亜実)が決勝でAYUMI(福島あゆみ)との日本勢対決を制して優勝し、ともに五輪代表に決定。男子はHIRO10(ヒロト)(大能(おおの)寛飛(ひろと))が6位で代表入りを決めた。
- 金メダリストの技を小学生で習得 14歳吉沢恋、パリ五輪代表へ
パリ五輪の切符を誰に渡すのか。スケートボードの神様が最後まで悩んでいたかのようなドラマチックな展開だった。
過去の予選大会での獲得ポイントも踏まえ、決勝に進んだ段階で赤間が1枚目を手中にし、残り2枚を事実上、吉沢、中山、織田の3人で争う構図となった。
一発技「ベストトリック」の4本目を終えた時点で、首位の織田と3位の吉沢はこのまま終われば、代表入りが決まる状況に。そして迎えた最終演技。底力を見せたのが東京五輪銅の中山だ。板を1回転させながら障害物を滑り降りる大技を成功して96点台を出し、2位に浮上した。
この結果、4位に転落し、代表圏外になったのが吉沢だ。「緊張や不安もあったけど自分を信じた」。板を横に270度、縦に1回転させながら障害物を滑り降りる複合技を決めた。こちらも96点台。首位を奪った。
土壇場で2人が高得点をたたき出し、今度は織田が追い詰められた。再逆転を狙い、高難度の技に挑んだが転倒。3年前に続いてわずかな差で五輪を逃し、涙した。
今大会の表彰台は日本勢が独占。東京五輪金の西矢も昨年末の世界選手権を制した織田もパリ五輪には出られない。世界一ハイレベルな代表争いが選手の成長を後押したのは間違いない。
優勝して世界ランキング1位になった14歳の吉沢は「(西矢)椛ちゃんや(織田)夢海ちゃんがいる中でパリに行けるのは自分でもすごいと思う。五輪では1位を狙いたい」。激戦を勝ち抜いた3人は全員がメダル候補。堂々とパリに向かう。(ブダペスト=岩佐友)
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