第106回全国高校野球選手権栃木大会(県高野連、朝日新聞社主催)の組み合わせ抽選会が19日、宇都宮市の県総合教育センターで行われ、出場60校56チームの対戦相手が決まった。大会は7月12日に開幕する。全国からも注目される強豪私立校から、部員不足のため連合チームで参加する公立高校まで、さまざまな学校、選手が夏の甲子園を目指して挑む。(高橋淳、津布楽洋一)
試合はエイジェックスタジアム(宇都宮市)、宇都宮清原球場(同)、とちぎ木の花スタジアム(栃木市)の3球場である。開会式は12日午前9時からエイジェックスタジアムであり、同10時50分からの開幕試合は、高根沢と小山南が対戦する。日程が順調に進めば決勝は28日の予定。
抽選会場には出場校の主将らが顔をそろえた。
まず、今春の関東大会で優勝した白鷗大足利や選抜大会に出場した作新学院など、春の県大会の8強がシード校としての番号札をひき、それぞれ別のブロックに収まった。その後、各校の主将らが次々とステージに上がって札をひいた。選手らは、スクリーンに映し出されるトーナメント表を真剣な表情で見つめていた。
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部員不足の学校の選手も大会に参加できる「連合チーム」が、今大会は3チーム出場する。「宇都宮東・真岡北陵」「今市工・壬生・足利南」「黒磯南・黒羽」だ。
宇都宮東と真岡北陵は、去年の秋季大会から連合チームを組む。真岡北陵の鈴木想大主将(3年)は「東高の選手はみんな練習に真剣に取り組んでいる。チームとしてまとまりがある」と手応えを感じていた。
今市工を含む3校連合は、週末に集まる。大塚海主将(3年)は「全員元気よく、集中して練習に取り組んでいる。良いチームだと思います」と胸を張る。足利南は捕手の小林玲音選手(1年)だけの参加だが、大塚主将は「自分から積極的に動いて、周りもよく見えている」と評価している。チームは初戦で宇都宮工と対戦する。
黒磯南と黒羽は昨秋と今春に連合を組んで県大会に出場しており、別の学校でも気心が知れている。黒磯南でエースの小金沢哲平投手(3年)は「目標にベスト4を掲げている」。対戦相手は、初戦が宇都宮南、勝ったらシードの佐野日大といずれも甲子園出場歴があるが、小金沢投手は「やるべきことをやって勝ちたいと思います」と前を向いていた。
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栃木県高校野球連盟・石島祐太郎会長あいさつ
今年もいよいよ12日から、夏の大会が始まる。今年の大会キャッチフレーズは「ここにかける、ここから始まる。」。3年生にとっては、まさに、ここにかける高校最後の大会となる。ぜひ、選手はもちろん、関係するすべての方々にとって、思い出に残る素晴らしい大会になるよう、みなさまのご協力をお願いする。今年の夏も、各チームによる熱戦が展開されることを祈念する。
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開会式の選手宣誓は、文星芸大付の木伏遥斗主将がすることに決まった。大舞台での大役を希望した各チームの主将が抽選をし、当たり札を引き当てた。同校による選手宣誓は栃木大会を制し、甲子園出場を決めた昨年に続いて2年連続だ。
「昨年は入江陽主将が引き当てて、正直、自分が引き当てるとは思っていなかった。選手宣誓をした年は甲子園出場できる。そこを引き継ぎ、良い流れに乗って宣誓を務めたい」
昨年の優勝校。新チームが始動するときから「連覇」をスローガンに掲げてきたという。一方、秋はライバル校の作新学院、春は白鷗大足利がそれぞれ関東大会を制覇。「悔しい思いをしてきた。(いまの栃木は)特に投手陣のレベルが高いが、打ち崩していくためにも練習してきた。気持ちを強く持って臨みたい」
抽選会の前には、入江前主将と話し「頑張ってこい」と声をかけてもらったという。「昨年は先輩方に連れて行ってもらった甲子園。優勝して恩返ししたい」と表情を引き締め、「昨年以上に記憶に残る選手宣誓を務めたい」と誓った。
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組み合わせが決まった。今年もシード勢の白鷗大足利、作新学院、文星芸大付などを軸とした展開になりそうだ。昨秋は作新学院が、今春は白鷗大足利が関東大会を制し、栃木は県外からも注目される激戦区になり、例年にも増してレベルの高い試合が期待される。
作新学院は最速147キロの右腕小川哲平が軸で、リリーフ陣も充実。打線も巧打の打者がそろうなど選手層の厚さは随一だ。春に関東大会の出場を逃し、小森一誠主将は「チームでやるべきことをしっかりやり、一つ一つ山を登っていこう」と気を引きしめたと明かす。秋の明治神宮大会や春の選抜大会などで積み上げた経験を全てぶつける。
白鷗大足利の150キロ台右腕、エース昆野太晴は、作新学院の小川と並んで大会最注目の投手のひとり。有力チームに軒並み好投手がそろい、ライバル同士の投げ合いも大きな見どころだ。
白鷗大足利は攻撃力に定評があり、チームは「県ナンバーワン打線」を目標に掲げて強化してきた。篠原飛羽主将は「16年ぶりの夏の甲子園に向けて白鷗の歴史を変える」。
前年大会優勝の文星芸大付、前々年優勝の国学院栃木も巻き返しを狙う。シード校が勝ち進めば、文星芸大付は作新学院と、国学院栃木は佐野日大とそれぞれ準々決勝で対戦することになる。いずれもハイレベルの争いになりそうだ。
公立校の躍進にも目が離せない。春の県大会では宇都宮商が私立の強豪を立て続けに破り、準優勝。春の関東大会では健大高崎(群馬)に初戦で敗れたものの、貴重な経験を積んだ。エースの山崎翔大を中心に守りからリズムをつくり、攻撃につなげる野球が身上だ。飯村允喜主将は「まずは一戦必勝で、全員が全力で取り組めば、甲子園というものも見えてくると思う」と表情を引き締めた。同校が夏の大会に出場すれば101年ぶりとなる。
昨春の選抜大会に21世紀枠で出場した石橋も今春の県大会でべスト8に進出し、安定した強さをみせる。前年の栃木大会では烏山がベスト8に勝ち上がった。選手権の公立代表は2005年の宇都宮南が最後だが、今年も大会を盛り上げそうだ。
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