大相撲春場所で大関に昇進し、夏場所から第53代横綱だった祖父=鳥取県倉吉市出身=のしこ名を受け継いだ琴桜が17日、鳥取県庁に平井伸治知事を訪ね、襲名を報告した。

 大関になったらしこ名を継いでいいという、亡き祖父との約束を果たした琴桜。小さいころから「桜ずもう」などで来県することがあり、祖父の故郷には特別な思いがあるという。

 父で師匠の佐渡ケ嶽親方は「横綱琴桜として、次は帰って来られるようにしたい」。平井知事は「あの琴桜という名前の力士が半世紀ぶりに鳥取の地を訪れ、喜びに満ちあふれている。輝かしい力士の道を堂々と歩んでいけるよう、もう一つの地元である鳥取からもエールを送らせていただきたい」と激励した。

 県は琴桜をとっとりふるさと大使に任命。記念品の星空舞と倉吉スイカ、鳥取和牛を贈った。

 夜には倉吉市内のホテルで祝賀会が開かれ、約200人が集まった。鳥取市から参加した70代女性は「琴桜がいるこの会場にいるだけでうれしい。大相撲のある奇数月がなにより楽しみで、来場所が待ち遠しい」と話していた。

 琴桜は参加者らに「おかげさまで大関に昇進し、琴桜の名前を継がせていただき、倉吉の地に戻ってくることができてうれしく思う。先代の地位に並べるようにこれからも精進します」と述べた。(ライター・田中泰子)

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