第73回全日本大学野球選手権大会最終日は16日、神宮球場で決勝があり、青学大(東都)が早大(東京六)を2―1で破り、2年連続6度目の優勝を果たした。大会連覇は2010~11年の東洋大(東都)以来、史上6校目。早大は9年ぶり6度目の頂点に届かなかった。

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青学大、黄金期到来の予感

 決勝打を放った藤原夏暉(3年、大阪桐蔭)は胸を張った。「良い意味で上下関係がないし、失敗してもOKなのが青学です」

 序盤、早いカウントから簡単にフライアウトを献上した。淡泊な攻撃にも映ったが、選手に焦りはなかった。「最初のストライクを必ず振る」という決め事が徹底できていたからだ。

 今季初先発の相手投手に、じわじわ圧力をかけていく。2失策が絡んで1点先行された直後の五回、その積極性が結実した。

 先頭が二塁打を放ち、犠打で1死三塁。8番中田達也(3年、星稜)がカウント1―0から真ん中に来た変化球を引っ張ると、右翼フェンス直撃の同点二塁打に。1番藤原も初球の甘い直球を中前へはじき返し、勝ち越し点を奪った。

 「少数精鋭」が青学大の方針だ。部員数44人は出場27大学で最少。先発メンバーの顔ぶれは、昨年の決勝と7人が同じだった。

 2019年に就任した安藤寧則監督は「野球選手は試合に出てなんぼ。良いもんも悪いもんも含めて経験するチャンスがあるのが強み」。決め事を冷静にやり抜く力は、少人数ゆえの豊富な実戦経験の中で培われたものだ。

 東都2部に沈んだ低迷期を経て、今年から2部時代を経験していない選手たちとなった。主将の佐々木泰(4年、県岐阜商)は言う。「また1段階、2段階レベルアップして、強い青学をつくっていきたい」。力強い言葉に、黄金期到来の予感が漂う。(大宮慎次朗)

早大、あと一本が出ず

 早大は8四死球を選びながら、13残塁の拙攻に泣いた。四回、敵失を突いて1点を先行。なおも無死三塁の好機をつくったが、連続三振と左飛で追加点を奪えなかった。八回1死満塁でもあと一本が出ず、4番捕手で主将も務める印出太一(4年、中京大中京)は「勝負強さを発揮できたらわからない試合だった。また厳しい練習をしていきたい」。

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