夫が亡くなり、「暇になって」水泳を始めた。浮く練習から始めて20年。三重県伊賀市の80歳の女性が、80~84歳対象の種目で大会新記録を打ち立てた。
伊賀市上野桑町の伊達春江さんが水泳を始めたのは、鮮魚店を経営していた夫が亡くなった60歳ごろから。「スポーツクラブに孫を送り迎えするうち、待ち時間の間に泳ごうかな、と」。それまで水泳どころか運動もしたことがなかったが、「ウエストスポーツクラブ佐那具」(同市佐那具町)に週に6日は通い、毎回2キロ以上泳ぐ。昨年、福岡であった世界マスターズ水泳では自由形400メートルで世界7位になった。
今年2月、「マスターズ水泳通信記録会」の自由形800メートルに参加した。日本スイミングクラブ協会に加盟する全国のフィットネスクラブやスイミングクラブで1~2月に記録会を開き、その記録を集計して全国での順位を競う仕組み。優勝した伊達さんの記録は、2位になった昨年の記録会を1分も縮める15分22秒66。全国34人中、2位に2分ほどの大差をつけた。
「泳ぐ時は何も考えない。ラスト50メートルで(合図の)鐘が鳴り、『馬力を出した』。結果はびっくり」
身長148センチ、体重40キロほどと小柄だが、コーチの井上記美子さん(47)は「水面の高い所を、常に軽やかに泳ぐ。抜群のセンスがあるし、伸びしろがあります」と評する。
伊達さんの健康法は、3食欠かさずたくさん食べ、運動すること。病気知らずで風邪も引かない。「水泳は全身運動がいい。水の中が楽しいし、疲れない。いつまでも元気で泳げたら」(小西孝司)
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