7月13日に試合が始まる第106回全国高校野球選手権岡山大会(朝日新聞社、岡山県高校野球連盟主催)を前に、審判の講習会(県高野連主催)が15日、岡山県美咲町の美咲エイコンスタジアムで始まった。43人がストライク・ボールの見極め、アウトカウントや走者を設定しての動きの連係などを確認した。
今年の講習会は2日間に分けて行われ、74人が参加予定。初日は津山工、津山東、津山高専の野球部員約50人が選手役として協力した。
この日講習を受けた塩崎大徳さん(31)は、審判として3度目の夏を迎える。名門・熊本工の元野球部員。出身は大分県だが、2007年春に選抜4強に進んだ伝統のグレーのユニホームにあこがれ入学。ただ、背番号をもらうことはできず、最後の夏はデータ分析に専従。チームの熊本大会決勝進出に貢献したが、0―1で敗れた。
大学卒業後、自動車部品メーカーに就職。転勤で岡山県の工場に移り、19年から審判を始めた。同年に国内で開催されたラグビーワールドカップでボランティアを経験し、「スポーツを作っていく楽しさを感じた」。
21年夏の岡山大会でデビューする予定だったが、汗が出なくなる難病で1年遅れた。選手としても審判としてもグラウンドに立てないつらさを味わった経験から、試合前には「背番号を付けてベンチに入れる幸せに感謝して」と選手に声をかけているという。
塩崎さんは本番に向け、「2年半の青春をかけた思いを無駄にしないジャッジをしたいです」と意気込む。(大野宏)
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