プロ野球・阪神

○阪神4―1西武●(8日・甲子園球場)

 貧打で窮地に陥っていた阪神を救ったのは、3番・森下翔太のバットだった。2本の適時打で3打点と勝負強さを発揮。自身の連続試合安打を6に伸ばし、眠り続けている猛虎打線の復活に向けて気を吐いた。

 最初の見せ場は三回だ。中野拓夢の適時二塁打で先制し、2死二、三塁の好機で回ってきた。初球の直球を捉えた打球は三遊間を破り2者を還した。勝負強さはさらに続く。3点リードの五回にも直球を中前にはじき返す適時打を放った。いずれもストライクゾーンに甘くきた直球だ。迷わず振り抜けた背景には、前日に岡田彰布監督から受けた一言があった。

 7日の西武戦の練習前。約50分のミーティングで、岡田監督から「真っすぐのタイミングで変化球(を打つ)。変化球は泳がないと打てないよ」と助言を受けたという。変化球を頭に入れながら直球にタイミングを合わせていたからこそ、スムーズにバットが出た。

 森下も「(打つ)構えが今は決まっている状態なので、自分が思ったところにバットを出せている。姿勢が崩れていたら出そうと思うところに出ないので、姿勢をしっかりただして振れている」と好調の要因を話した。

 打線の調子が上向かないまま、6日の楽天戦に敗れて「貯金」がなくなった。勝率は5割となり、岡田監督も「これでゼロ。明日から開幕するんやから」と奮起を促していた。

 チームは2連勝で5カードぶりの勝ち越しを決めた。ここで仕切り直し、打線の復調につなげられるか。【荻野公一】

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