元幕内 千代の国の佐ノ山親方は三重県伊賀市出身の33歳。

スピードを生かした激しい突き押しを持ち味に平成29年の夏場所では自己最高位となる東の前頭筆頭に番付を上げました。

現役中はけがの影響で幕下以下に陥落してから幕内に2回返り咲くなどけがに屈しない姿を見せ、去年7月に引退したあとは、九重部屋で後進の指導にあたっています。

8日は東京 両国の国技館で断髪式に臨み、最初に青の締め込み姿で土俵に上がって千代翔馬や千代丸など部屋の力士たちのぶつかり稽古に胸を出しました。

このあと大勢のファンや妻と2人の娘に加えて、現役時代にしのぎを削った同学年の錦木や竜電などにはさみを入れられると、涙をこらえることができず、ハンカチで何回も目をぬぐっていました。

最後に師匠で元大関 千代大海の九重親方が大たぶさを切り落とし、およそ17年の力士人生に区切りをつけました。

佐ノ山親方は「ほっとしている。泣く予定はなかったが、感謝の気持ちでいっぱいになって涙をこらえることができなかった」と振り返りました。

式では当初、元力士で俳優の兄と最後の一番を取るはずでしたが、病気で倒れたため実現できず、佐ノ山親方は「兄を応援していると声をかけてくれる人もたくさんいる。兄には断髪式が無事に終わったと報告したい」と述べました。

親方として臨む今後については「けがの大変さが分かるので休むことも大事だということを若い子に教えて、自分の経験を役立てていきたい」と話していました。

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