熊本地震で大きな被害を受け、改修工事を進めていた熊本競輪場(熊本市中央区)で7月、8年ぶりにレースが開催される。7日に報道向けの内覧会があり、大幅に改修されたメインスタンドなどがお目見えした。

 2016年春の熊本地震では、バンク(競走路)がひび割れるなどの被害が出た。500メートルだったバンクを400メートルにし、バックスタンドを解体するなど規模を縮小して再建した。事業費は約53億円。

 メインスタンドの一般観覧席(412席)は入場無料とし、気軽に入れるようにした。室内に有料の特別観覧席や、グループで使える畳の席なども設けた。全国的に競輪の売り上げの多くがインターネット経由となり、来場者が減っていることもあり、席数は少なくなったという。

 5月からは、練習での利用も始まっている。バンクのカーブ部分の傾斜がきつくなったためか、選手たちからは「スピードが出やすい」といった感想が聞かれるという。

 プレオープンとなる今月15日から一般の入場と、場外発売が始まる。7月20~22日に能登半島地震復興支援と再建記念の初レースがあり、利益の一部が能登半島地震の被災地に寄付される。今年度は23回のレースを予定している。駐車場やサービスセンターの整備終了後の25年度にグランドオープンとなる計画だ。

 競輪事務所の西真一郎所長(49)は「ファンのみなさんだけでなく、選手や、地域の方、これまで来たことがない人にも愛される施設をめざしたい」と話した。(杉浦奈実)

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