政治資金規正法改正案を巡り、協議に臨む衆院政治改革特別委の与野党理事ら(29日午前、国会内)

自民党は29日の衆院政治改革特別委員会の理事懇談会で、政治資金規正法改正に向けた修正案の概要を提示した。付則に3年後の見直し規定を明記するとした。規正法違反で所属議員が起訴された政党を対象に政党交付金を一部停止する制度をつくる。

修正案では政党から政治家個人に支給される政策活動費に関し、支出項目だけでなく時期を月単位で公開する規定を設ける。外国人によるパーティー券購入の規制や個人献金を促進するための優遇税制を検討する方針も示した。

パーティー券購入者の公開基準に関し、現状の「20万円超」から「10万円超」への引き下げにとどめる考えを堅持した。公明党は「5万円超」を求めていた。野党が訴えた企業・団体献金の禁止は含まなかった。

自民党の大野敬太郎筆頭理事は記者団に対し、各党から受けた33件の修正要望のうち15件を取り入れたと説明した。同じ与党の公明党や野党各党に修正案への賛同を求めた。

公明党で規正法改正の実務を担う中川康洋氏は公明党の要望が一部反映されていないと指摘し、修正案への賛否に触れなかった。党内で協議を続ける。

立憲民主党の笠浩史国会対策委員長代理は「ゼロ回答だった。本当に遺憾で、再考を促したい」と反発した。立民など野党4党は①企業・団体献金の禁止②政策活動費の廃止または領収書の全面公開③議員が会計責任者と同じ責任をとることの明確化――を求めている。

自民党は参院で単独過半数を持っておらず、法案の成立には他党の協力が欠かせない。岸田文雄首相は6月23日に会期末を迎える今国会で規正法の改正案を成立させると明言している。

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