73年ぶりにつくられた捕鯨母船が、まもなく初めての漁に向かう。

捕鯨母船「関鯨丸」は初めての操業を前に23日、東京・有明ふ頭に接岸して報道陣に公開され、林官房長官も視察に訪れた。

老朽化した「日新丸」の代わりに、国産の捕鯨母船として73年ぶりにつくられた「関鯨丸」は、水揚げしたクジラを船内ですぐ解体できる設備のほか、コンテナ式の冷凍庫を備えている。

水産庁は現在、漁を認めている3種類のクジラのほかに、資源量が増加しているという「ナガスクジラ」も加える方針を示している。

「関鯨丸」はクジラを引き上げる設備の傾斜を、35度から18度へ緩やかにしたことで、70トン級の「ナガスクジラ」にも対応できる。

クジラの肉の国内消費はピーク時の100分の1に減っていて、所有会社の共同船舶は新しい母船の誕生で、消費の拡大が期待されるとしている。

日本は2019年にIWC(国際捕鯨委員会)を脱退し、水産庁が定める漁獲量の中で、商業捕鯨を再開した。鯨の消費量は1962年の23万3000トンをピークに、2022年には2000トンに落ち込んでいる。共同船舶は国内の市場を3~5年後に現在の3倍となる66億円に増やしたいとしている。

「関鯨丸」は25日に出航し、東北や北海道沖で初めての漁を行う予定。

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