松江城近くの高層マンション建設計画をきっかけに議論が続いている景観問題。松江市は22日、建設事業者に対し新たに事前協議を求める新制度の具体案を明らかにしました。
松江城近くで計画されている高層マンションの建設を巡っては、現行制度のもとでは計画変更は事実上不可能な中で、建設反対の声も根強い事などから、松江市も今後に向けて抜本的な制度の見直しを検討しています。こうした中開かれた市の景観審議会では、市側から新しい「事前協議制度」の具体案が初めて示されました。
安部大地記者
「この事前協議制度の導入で、松江市は早い段階で事業者に対し市側の要望を伝えることができます。これにより、事業計画に市側の意見を反映しやすくする狙いがあります」
現行制度では、松江市内で建物の高さが13メートルまたは4階建てを超えるなどした場合、事業者は工事着手の30日前までに届けを出す必要がありますが、この段階で、例えば高さを下げるなど市側が要望してもすでに計画変更は困難なのが実情です。今回示された事前協議制度の具体案では、事業者は現行の30日前までの届け出からさらに120日前に遡って事前申請をする必要があると定めています。
つまり建設着工の150日前までにプランが示されることになり、市側の要望などを建設計画に反映しやすくできるとしています。
委員からは、対象エリアの細かい指定が必要などといった意見が出ましたが、制度については概ね賛同する意見が出ました。
松江市まちづくり部・石本彰部長
「松江城周辺のより良い環境を後世に伝えることが責務だと思っているので、そういうことができるような形でしっかり制度を作っていきたい」
この制度は、長野県の松本市や栃木県の宇都宮市なども既に導入していて、松江市は9月議会で導入に必要な条例改正案を提出し、2025年の早い時期での運用開始を目指しています。
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