参院予算委員会で立憲民主党の辻元清美氏の質問に答弁する岸田文雄首相=国会内で2024年5月22日午後1時37分、平田明浩撮影

 岸田文雄首相は22日の参院予算委員会で、政治資金規正法改正で焦点となっている政策活動費について「政治活動の自由との関係において一概に禁止するのではなく、透明性を高めていくことが重要だ」と述べ、禁止する考えがないことを改めて強調した。

 自民党の改正案では、政党から政策活動費の支出が1件あたり50万円を超える場合、「選挙活動費」などの項目を収支報告書に記載する。野党は予算委で「適正に使われたか、領収書を見ないと確認できない」と指摘したが、首相は「個人のプライバシーや企業の営業秘密、政党の大きな方向性を外部の政治勢力や外国に知られることになる。領収書を全て明らかにすることになると、さまざまな不都合が生じる」などと従来の説明を繰り返した。

 政治資金パーティー券購入者の公開基準額を巡っては、特別委員会で各党案と付き合わせながら結論を出すとし、「具体的な数字等について、今ここで申し上げることは控えなければならない」と述べた。

 衆院解散について問われると、首相は「今国会で最大の焦点は政治資金規正法を改正する点にあり、これをこの国会中に実現すると申し上げている。解散等、それ以上のことは何も考えていない」と語った。

 顧客による迷惑行為であるカスタマーハラスメント(カスハラ)については「社会的な関心が高まっている」と言及。対策強化に向けて「専門家の議論をしっかりと踏まえ、法制面も含め必要な対応を検討したい」と述べた。【樋口淳也】

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