自民党は17日午後、派閥の政治資金問題を受けての再発防止や資金の透明化などを目的とした、政治資金規正法の改正案を衆院に提出した。

改正案は、政治資金パーティー券購入者の公開基準額や、政策活動費の使途公開方法で折り合えなかった公明党との共同提出を見送り、自民党単独での提出となった。提出に先立って自民党は総務会で改正案を了承したが、出席者から「今回の案で本当に国民は自民党は変わったと思うか。危惧がある」との意見も出た。

提出された自民党案は、派閥パーティーをめぐる事件の再発防止策として、政治資金収支報告書の虚偽記載や不記載に関する議員本人の責任の明確化や、外部監査の強化、収支報告書のオンライン化による透明性の向上などを盛り込んでいる。

政治資金パーティーをめぐる改革としては、パーティー券の販売における銀行振込の徹底を盛り込み、パーティー購入者の公開基準については、5万円超への大幅引き下げを主張する公明党に譲ることはせず、10万円超とした。

さらに、政治資金全体の透明化としては、党から幹部議員らに支出され使途公開の必要がない政策活動費について、政党からの支出が50万円を超えるものについて、支出を受けた議員らが項目別の使途を党の会計責任者に通知し、収支報告書に記載することとした。また、政治団体間の資金のやりとりの適正化なども盛り込んだ。

改正案の提出を受け岸田首相は「幅広い点について改正案を提示し、実効性のある再発防止策・改正案となったと考えている。今国会での政治資金規正法の改正を確実に実現するため、引き続き公明党とも力を合わせ、また野党のご意見も伺いながら、政治改革特別委員会での議論に真摯に対応し、政治の信頼回復につなげていきたい」と語った。

一方の野党は、連座制の導入や政策活動費の使途の全面公開、企業団体献金の禁止などを主張していて、自民党案への批判を強めている。立憲民主党の泉代表は「公明党に一蹴されて当然の低いレベル」と指摘し、「野党の案を受け入れて政治改革を進めてほしい」と述べた。

改正案の衆議院の特別委員会での審議入りは来週半ばとなる見通しだが、議論の難航は必至となっている。

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