定例記者会見する福田富一知事=2024年5月15日、県庁で有田浩子撮影

 12月8日に任期満了を迎える栃木県知事選で、現職の福田富一知事(70)が、6選出馬に前向きな意向を周囲に伝えていたことがわかった。

 福田知事は16日、自民党県連幹部の県議らと会い、出馬の条件について話した。政党の推薦や後援会の決議、政策のとりまとめ、選挙体制などを挙げたという。

 昨年の段階では、「後進に道を空けるのも年長者の務め」として周囲に勇退する考えを伝えていた。

 その後、3月末に後援会が出馬を要請。「想定したシナリオとは違う方向も周りから出てきた」と戸惑いつつも、「勇退を望む声と続投を望む声と、県民には多くの意見がある」として、幅広い声に耳を傾け5月下旬をめどに結論を出す考えを示していた。

 福田知事は17日、毎日新聞などの取材に対し、「(条件が整い)形ができるのか。あと1カ月程度、状況を見極めたい」と述べ、明確な考えは示さなかった。

 21日から6日間の日程で訪米する。28日から県議会が開会。来月末には政治家40周年のパーティーが予定されている。

 知事は県議、宇都宮市長などを経て、2004年に初当選。6選となれば栃木県では初。これまで過去5回の知事選は自民党と公明党が推薦。前回はいずれも県組織が推薦した。

 同知事選にはこれまで出馬表明した人はおらず、立憲民主党と共産党県委員会が8月末をめどに擁立を検討している。【有田浩子】

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