自民党本部=東京都千代田区で、平田明浩撮影

 自民党は、政治資金パーティー裏金事件を受けた政治資金規正法改正案の要綱を16日の党会合で示した。政党が議員個人に支出し、現行では使途公開が不要な「政策活動費」について、政党からの支出が1件あたり50万円を超える場合、議員から大まかな項目別に支出額の報告を受けて政党が公開するとしている。自民は党内手続きを経て、17日に単独で改正案を国会提出する調整を進めている。

 自民案の要綱は公開する政策活動費について「総務省令で定める項目」としており、「組織活動費」「選挙関係費」など使用目的の概略にとどめる方針だ。議員が所属政党の会計責任者に対し、項目別の支出額を通知する。与党の公明党は使途の明細を公開することなどを求めており、15日の自公協議が事実上決裂していた。

 いわゆる「連座制」については、議員に収支報告書の「確認書」を作成するよう義務づける。会計責任者が不記載などで処罰された場合、議員が十分にチェックしないまま確認書を作成していれば、50万円以下の罰金を科す。罰則が適用されると議員本人の公民権が停止される。確認書を作る際に虚偽の説明をした会計責任者には100万円以下の罰金とした。

 パーティー券の購入者の公開基準は、現行の「20万円超」から「10万円超」に引き下げると明記した。公明党などは通常の寄付と同じ「5万円超」まで引き下げるよう要求している。

 自民の政治刷新本部作業チーム座長を務める鈴木馨祐衆院議員は「いろいろな議論が出たが、結果として(対応は党幹部に)一任された。正式決定は17日の総務会を経ることになる」と記者団に説明した。公明は自民案の内容を不十分として、法案の共同提出に慎重な姿勢を示している。【高橋祐貴、遠藤修平】

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