兵庫県知事の「疑惑」を「内部告発」した幹部職員が懲戒処分を受けた問題。
知事は県で客観的な調査が行われたとして、外部調査を行わない考えを示しました。

■「疑惑」を謝罪

兵庫県の斎藤元彦知事は自身の「疑惑」について8日の会見で「職員一丸となって県政の推進に取り組んでいる中で、このような状況になったことは極めて遺憾。県民の皆さんに改めてお詫びを申し上げたい」と謝罪しました。

■知事の「パワハラ」と「おねだり体質」告発文を県幹部が配布

ことし3月、一部の報道機関などに「斎藤知事の違法行為等について」というタイトルの告発文が配られました。

「知事のパワハラは職員の限界を超えている」「知事のおねだり体質は県庁内でも有名」と記された告発文。
斎藤知事が政務で訪れた加西市の企業から6万円相当の商品が贈られていたことや職員へのパワハラなど、7項目にわたって知事への批判や疑惑が書かれていました。

■知事が『事実無根』と主張も…「知事の側近」が企業から贈答品受け取ったこと判明

しかし、この告発文について斎藤知事は『事実無根』だとして、文書を配布した西播磨県民局長(60)を解任。

名誉棄損に当たるとして法的な手続きを取るとしていましたが、その後、斎藤知事に同行していた産業労働部長(55)が企業から贈答品を受け取っていたことが判明したのです。

■知事の側近は「文書指導」告発文配布の県幹部は「停職3カ月」

疑念が深まる中、県は7日、内部調査結果を発表。
贈答品を受け取った部長について「返却すべきものを忘れていた」として、文書での指導にとどまる訓告の処分に。

一方、前県民局長については、告発文は『事実無根』の「誹謗中傷文書」として、停職3カ月の懲戒処分としました。

■「外部調査」実施せず

「側近にだけ甘い」と捉えられかねない今回の処分について斎藤知事は8日の会見で「処分の量定は、それぞれの非違行為について、兵庫県の懲戒処分の指針や過去の処分事例を踏まえて決定したものなので、私としては今回の対応は適切なものと考えている」と発言。
処分や告発内容について、斎藤知事は県の人事課が行った調査で一定の客観性があったとして、第三者機関を設置した「外部調査」を行わない考えを示しました。

■「文書が事実ではないと示された」と知事

兵庫県庁には違法行為を告発できる「公益通報」という制度がありますが、通報窓口が県庁になるため前県民局長は「信用できない」として告発文という手段をとったといいます。

この点について問われると斎藤知事は「今回の事案を踏まえ、窓口を外部に設置することも含めて、今後の検討課題だと認識している」と述べました。

また、これまで進めるとしていた刑事告訴については「文書が事実ではないと示されたので考えていない」と話しました。

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