5月1日に熊本県水俣市で行われた水俣病被害者団体と伊藤環境相の懇談会で、団体側のマイクの音が途中で切られた問題を巡り、8日夕方、伊藤環境相が団体側に直接謝罪をするため、水俣市を訪れました。

8日午後3時すぎ、鹿児島空港に到着した伊東環境相。険しい表情で、記者の問いかけに答えることなく水俣市に向かいました。

野平美奈子記者
「どんな気持ちを伝える予定ですか?」
伊藤環境相
「...。」

この問題は1日、水俣病犠牲者慰霊式の後に開かれた水俣病被害者団体と伊藤環境相の懇談会で、被害者団体側2人のマイクの音が、持ち時間の3分を過ぎたところで切られたものです。

環境省側は持ち時間を過ぎれば職員がマイクの音を切る運用だったと説明していましたが、7日、環境省は「関係者に不信感を与え申し訳ない」と謝罪しています。

そして、8日午後5時すぎ、水俣市に到着した伊藤環境相は、出席した被害者団体の関係者一人一人に頭を下げて着席。その後、関係者に直接謝罪しました。

伊藤信太郎環境相
「発言中にマイクの音を絞るという、大変申し訳ないことがありました。心からおわび申し上げます。慰霊式、語り部の皆さん、関係者の皆さんとの懇談、記者会見、4つを午後1時半以降にやるということ自体がちょっと、物理的に難しいことだったのではと思う。十分な時間で(意見を)お聞きできる様にしていきたいと思います」

この懇談会には、鹿児島県内からも長島町在住で水俣病被害者獅子島の会の滝下秀喜会長が参加し、伊藤環境相に意見を述べたということです。

今回の行為は懇談会を設けたとはいえ、被害者の思いに寄り添っているとは全く言えないのではないでしょうか。未認定患者の集団訴訟もあるなど水俣病の全面解決には至っていません。国はこの問題に本気で向き合う姿勢が求められます。

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