自民・公明・国民民主3党の幹事長は20日、年収の壁を巡る税調会長の協議が、17日、178万円を求める国民民主党と123万円とする与党との間で物別れになったことを受け、会談しました。
その結果、先週の幹事長会談での178万円を目指して、2025年から引き上げるとの合意を踏まえ、引き続き、関係者間で誠実に協議を進めることを確認しました。
このニュースについて、フジテレビ政治部・西垣壮一郎デスクとみていきます。
――税制大綱で「123万円引き上げ」が明記となり、国民民主党の玉木氏はこれに対し「延長戦に入った」と述べているようだが?
フジテレビ政治部・西垣壮一郎デスク:
いったん、決裂した暗礁に乗り上げましたが、これから逆にスタート延長戦が始まるわけですね。
改めて、国民民主党が178万円にこだわる理由について見ていきます。
端的に言うと「手取り額が変わってくるから」なんです。123万円と178万円に引き上げた場合は、年収別に分けてもかなりの違いが出てくるとこれは大前提になるということです。
国民民主党との延長戦も難航が予想される中、自民党が目指す2025年度予算の成立に協力してくれる野党に日本維新の会が急浮上してきたわけです。与党は、維新と高校無償化の議論も19日から議論をスタートされているわけです。
2025年度予算を巡るレースですが、少数与党の自民と公明が衆議院で予算を通過させるためには、国民民主と維新どちらかと組んでいくんじゃないかということです。
――これについてどう見る?
フジテレビ政治部・西垣壮一郎デスク:
みんなが賛成すれば与党はいいんですが、自公、石破さんは一番は予算を成立させることなんですね。どちらかから協力を取り付ける、どちらかの協力が必要な状況にいます。なぜなら過半数割れしているからです。
そんな中、国民民主が主張する178万円だと、今度は税収が足りないんじゃないかという議論になっています。国民民主の178万円だった場合は、やはり税収が大幅に足りない。約7.8兆円地方税も含めて減ってしまう。維新の教育無償化の話は、予算でいうと約6000億円になります。
――単純に予算で見ると6000億、高校無償化のほうが財源が少なく済むため、自民党としては維新のほうがハードルが低いのかと感じるが?
フジテレビ政治部・西垣壮一郎デスク:
自民党は今、与党ですので限られた予算、きちんと予算の中では7兆円、8兆円の国民民主党よりも維新のほうが近い気もするんですが、ただ、取材してみると前原さんが言っている賛成するかもしれない条件は、高校生の無償化を4月から6000億円と額は少ないんですが4月からしようということで、それに乗るなら、賛成しますよと一緒に行きましょうかと言っているんですが、それは、お金の問題じゃなくて政策でいうと難しいんじゃないかと。さらに、維新の前原さんは、その6000億円は入り口の条件でしかなくて、さらには0歳児から2歳児の保育料の無償化、給食費の無償化などともに予算を成立させていくためにはどんどん上限が出てくるんじゃないかと。自民党内には、いったん国民民主党との協議を切り離すことになってしまうので、飲めない政策が次々出てくることに、前原さん維新と組むのは警戒感も出ているんですね。
そして、2025年7月には参議院選挙が予定されています。
フジテレビ政治部・西垣壮一郎デスク:
政策ということがあれば、なかなか4月から予算を決めないと1月1日から国が回りませんので、さかのぼって2月には決めなきゃいけないことがあるんですが、みんなやっぱり参院選を考えると予算を成立させるところで、自分のところの主張をしたい。自民党は少数になったけれど、きちんと責任与党でありたいなというのが成果なんですね。維新は教育をとその間どっちに行くか迷うところの石破さん自公ですが、限られた予算が前提の中で、一部178まで上げなくてうまく予算を成立するという成果を取りたいな。ただ、一緒に国民はゴールに向かいたい。その場合、国民の178万円にするのはお金があればできるんですが、できないので、その場合は国民だけ、うまく石破さんだけ予算を上げたい。一方の維新とも6000億円お金だけではなくていろんなものをやるよと言ってるけど実際にはできなくて、予算が成立すれば維新の満額でいけない場合にはさあ、結果を見ると参議院選挙に一番成果を上げたのはどこなのかという時に、石破さんとしては成果を上げたよねというふうにしたいということで思惑としてはあるわけですね。
――自分たちだけでは少数与党だからうまくいかない。だから、どこかと手をつながなければいけないということ?
フジテレビ政治部・西垣壮一郎デスク:
そこが、もう一度レースが始まった中で国民民主とだけじゃなくて維新と両てんびんにかける形なんですが、自民党の中にも維新の中にも、両てんびんにかけてうまくいくのかと。いかないと、石破さんが実は予算ができないということになってしまうと国政を停滞させている責任が。そうすると、参議院選挙を経て野党に政治の中心がということに代わりかねないので、そこはどこにいくのか。参議院の選挙を今争っているところですね。
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