30年以上に渡り日本の安全保障について取材してきた共同通信社の石井暁さんが、台湾有事をテーマに講演し、軍事的合理性だけにもとづく日米の一体化に警鐘を鳴らしました。

講演したのは共同通信社の編集委員石井暁さんで、2021年には台湾有事に関する日米共同作戦の原案をスクープするなど、日本の安全保障について30年以上にわたり取材してきました。

共同通信社 石井暁編集委員:
いま台湾有事を想定した日米共同作戦計画を作っているのが、自衛隊幹部と米軍の幹部なんですね。政治がちゃんと軍事をコントロールする。果たしていまそのシビリアンコントロールが日本で効いている状態かどうか

安倍政権下の2015年、集団的自衛権の行使を可能とする安全保障関連法が成立したことや、2022年に岸田前総理が、戦後の安全保障政策の大転換となる敵基地攻撃能力の保有を認める安保3文書の改定を閣議決定したことで、石井さんは台湾有事に自衛隊が参戦可能になったと指摘します。

南西諸島で自衛隊の機能強化と日米の一体化が進む一方、住民避難について政府は、荒唐無稽な計画を立てていると批判しました。

共同通信社 石井暁編集委員:
12万人の先島の人たちを航空機や船舶で九州・山口に避難させるのは6日間では決して出来ません。本島の人(130万人)は屋内避難ですよ。そこに合理的理由はまったくありません。政府のやっていることはいかに荒唐無稽で馬鹿馬鹿しいかということを強く言いたいと思います

石井さんは、日米両政府が進める南西シフトによる部隊展開は軍事的な合理性だけで、住民の存在は全く考慮されていないと厳しく指摘しました。

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