全国的に、議員報酬引き上げの動きが相次いでいます。福井県内でも、美浜町議会が19日、「議員報酬の6割引き上げを町長に申し入れる決議」を賛成多数で可決し、町長に申し入れました。
背景には議員の「なり手不足」があり、報酬引き上げにより多様な人材の立候補を促したい考えです。最終的に、報酬額は町長が諮問する審議会の答申を経て再検討し、議会で可決されれば決定となります。
美浜町議会は閉会日の19日、議員報酬の増額を町長に申し入れる決議を、賛成7人、反対5人の賛成多数で可決しました。
美浜町議会議員の報酬は現在、月額23万5000円で、活動量などから算定した6割増額の月額38万2500円を求めます。
現在の報酬額は、県内の8つの町議会の中で下から3番目ですが、実現すれば県内の町議会では最高額になります。
賛成した議員は「議員のなり手不足問題は民主主義の危機。どうして若者や女性、障害者、会社員や管理職の住民が見向きもしないのか。(議員報酬だけでは)人生設計を考えるうえで明るい展望を見出すことができないからだ。この立候補を阻害する要因を放置して、なり手がいないと言っても出てくるはずがない」と意見を述べました。
一方、反対した議員は「報酬は物価に応じて上げるべきで、この上げ幅では到底、町民の理解が得られるとは思えない」としました。
美浜町議会では、「議員報酬が、生計が維持できないほど低水準であることはなり手不足の一因だ」として、報酬を増やし多様な人材の立候補を促す考えです。
19日、議会が報酬の引き上げを町長に申し入れたことを受け、町長は審議会に諮り、その答申を踏まえて、議会が報酬額を再検討します。その後、報酬額変更の条例改正案を議員提案し、可決されれば増額が決定となります。
全国の町村議会では「なり手不足」が深刻化し、対策として報酬の増額に向けた動きが出ていて、6日には南越前町でも議会が町長に「報酬増額の申し入れ」をしました。
福井県内の町議会議員の報酬の平均は月額24万1500円で、現在の美浜町議の報酬は月額23万5000円です。
大卒の初任給は23万7300円なので、美浜の町議の報酬は大卒の初任給よりも低いことが分かります。
今回の美浜町議会の申し入れでは、全国町議会議長会が採用する算定方式から計算し、38万2500円を示しています。
議員報酬の増額の動きは、なり手不足の解消や議員活動への関心の高まりにつながるのか、注目です。
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