政治学者の前嶋和弘・上智大教授(米政治)が17日、福岡市であった「毎日・世論フォーラム」(毎日新聞社主催)で「大統領選挙後のアメリカ:世界、そして日本」と題して講演した。「米国には未曽有の分断があるが、覇権は続く。二つの米国と付き合わないといけない」と語った。
前嶋氏は、共和党のトランプ前大統領が勝利した11月の米大統領選について「『圧勝』のイメージが伝えられるが、得票率は僅差で薄氷の勝利だった」と指摘。次期政権が2年後の中間選挙での勝利を目指し、「不法移民対策や関税引き上げなど、1期目で達成できなかった政策に取り組むだろう。米国の分断は続いていく」と分析した。
今後「台湾防衛」を政治カードに使ったり気候変動政策を急変させたりすることも予想されるとしたうえで、日本の対応について「『トランプ後』を見据えて、国際協調路線を継続していくしかない」と強調した。【森永亨】
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