3選を決め、支持者らとバンザイをする南出賢一氏(後列中央)=大阪府泉大津市で2024年12月15日午後10時23分、新宮達撮影

 任期満了に伴う大阪府泉大津市長選が15日、投開票され、無所属現職の南出賢一氏(44)が、新人で政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏(57)を破り、3選を決めた。確定得票数は南出氏が2万1700票、立花氏は4439票だった。投票率は44・07%(前回37・80%)。

 南出氏は主要政党の公認や推薦を受けなかったものの、各党は対抗馬を立てず、市議の大半が南出氏を支援。国会議員や首長らが応援演説し、個人演説会を開いたほか、ネット交流サービス(SNS)も積極的に活用。自らが市政を説明するショート動画を「インスタグラム」で配信し、SNSで有権者の希望を聞いて演説場所を決めた。市立図書館の移転整備など2期8年の実績を強調し、中学校給食の自校調理方式への切り替えなど、生活に密着した政策を訴えた。

 立花氏は11月17日投開票の兵庫県知事選に落選後、同27日に泉大津市長選への立候補を表明。同市が自らの出身地であることと「マスコミの動きを知るため」と理由を説明した。告示後は連日、市内の駅前などで街頭演説し、聴衆らが動画投稿サイト「ユーチューブ」などで一部始終を配信した。公約として、市長自らが「稼ぐ」ことを重視し、「ふるさと納税」による年間の寄付額を現在の約7億円から10倍にするとの目標を掲げたが、市政とは直接関係のない内容も演説した。

 当選を決めた南出氏は15日深夜、「当選できたのは、市民とスタッフのおかげ。立花氏が立候補したことで、泉大津市が全国に知られるきっかけになった。子どもが選挙に関心をもったのもよかったと思う」などと話した。

 落選が決まった立花氏は自らのユーチューブチャンネルで「(公約に掲げた)ユーチューバー商店街を作れず残念だが、泉大津市の出身者として、これからも市を応援したい。投票率が上がり、少しは貢献できたと思う」とコメントした。【新宮達】

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