中谷元防衛相と会談し、沖縄県の基地問題についてまとめた要望書を手渡す玉城デニー知事(右)=県庁で2024年12月15日午後4時4分、比嘉洋撮影

 沖縄県の玉城デニー知事は15日、県庁を訪問した中谷元防衛相と会談した。玉城知事は、中谷氏が14日に明らかにした在沖縄米海兵隊のグアム移転開始について「具体的な移転スケジュールが今後どうなるのか、まだ示されていない」として全体の移転計画を示し、早期に完了するよう求めた。

 両氏の会談は中谷氏の防衛相就任後初めて。会談は冒頭のみ公開された。

 中谷氏は移転計画が2006年に在日米軍再編のロードマップに記されて以来、初めて実行されたとして「大きな節目を迎えた。引き続き、米側と協力して進める」と意義を強調した。

 これに対し玉城氏は、今回の移転開始は国外に移転予定の在沖縄米海兵隊約9000人のうち約100人の「先遣隊」にとどまると指摘。移転に伴い、グアム島の約160キロ北東のテニアン島に訓練場の整備が予定されていることを踏まえ、沖縄で実施している海兵隊の全ての訓練を両島に移し、沖縄の基地負担の軽減につなげるよう要望した。

 一方、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設計画を巡っては、中谷氏が同飛行場返還に向けた「唯一の解決策」と従来の政府見解を繰り返し、計画断念を求める玉城氏との議論は平行線に終わった。【比嘉洋】

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