袴田巌さんの無罪確定をきっかけに裁判のやり直しの制度改正を巡る議論が取り沙汰されています。静岡県内の市町の議会では、そのほとんどで改正を国に求める意見書を可決していて、12月11日は残る2つの市のうち静岡市議会で可決しました。

静岡市議会 :
「これら(意見書案)2件は原案の通り可決することに異議ありませんか?」
「異議なし!」

11日 可決された再審法改正に向けた意見書。

意見書の中では捜査機関からの証拠の開示について裁判所の裁量にゆだねられ各ケースに差があるとして全面的な証拠の開示を制度化するよう求めています。

また、再審開始が決定しても審理が長期化するケースが多いとして、審理期間の短縮なども含め再審法の速やかな改正に向けた議論を進めるよう求めています。

可決した意見書は衆参両院の議長のほか総理大臣や法務大臣などに提出されます。

この再審法改正を求める意見書ですが全国の地方議会で可決しています。

きっかけになったのは袴田巖さんの再審請求審でしてこれをきっかけに一気に加速化しました。

静岡市の意見書の内容をあらためて見ますと捜査機関が持っている証拠の開示が裁判所の裁量に委ねられているため、「証拠の全面開示を求める」ということが一つ。

そして「審理を長期化させないような仕組みづくり」この2つを議論するよう国に求めています。

Q.この2つの要望をどう思う?

菊地幸夫 弁護士:
弁護士の立場からは全面的に賛成です。
一方、検察側の立場では、検察が異議申し立てをするため審理が長期化する面があるため、それ(異議申し立て)をさせないとなるとかなりの抵抗があると思う。
従って、簡単にはいかない改正だと感じるが、方針は正しいと思う

そして県内各議会の状況ですが静岡市議会が35市町中34番目、残る浜松市議会も12月20日に可決する見通しです。

県内の市町のすべての議会が意見書を可決するのは日弁連によると全国初ということです。

Q.更にすでに200以上の地方議会が同様の意見書を提出しているということなので、国としても無視はできませんね?

菊地幸夫 弁護士:
そうですね、静岡県の動きは非常に力強いですし全国でも200以上の議会が意見書を出しているので国会でもなるべく早く前向きに取り組んで欲しい

国会でも再審法の改正をめざす超党派の議員連盟が発足していて今後、議論がどのように進んでいくのか注目していきたいと思います。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。