10日の衆院予算委員会の論戦のポイントは次の通り。
【補正予算案】
井上信治氏(自民)緊要な予算を計上するのが大切だ。
石破茂首相 デフレ経済からの脱却、地方創生の再起動、能登半島の復興・復旧をする。積み上げたものであり、規模ありきではない。
井上氏 能登半島の災害に予備費で対応したことに一定の理解はするが、補正予算で手当てすべきだったのではないか。
首相 予備費は便利だが限界はある。本格的な復旧・復興のため補正予算が必要だと判断した。
重徳和彦氏(立民)能登半島の復興に向けた予算が足りない。増額を求めたい。修正案を準備している。
首相 補正予算案は積み上げの結果であり、規模ありきで考えたものではない。
【政治改革】
米山隆一氏(立民)企業・団体献金の禁止は、憲法に反すると思っているのか。
首相 憲法上の根拠は21条だと思っている。参政権ではなく、表現の自由だ。企業も表現の自由は有している。献金を禁じることは、少なくとも憲法21条には抵触すると考える。
【自民党派閥の政治資金問題】
米山氏 自民党旧安倍派幹部と、起訴された会計責任者の証言に矛盾がある。旧安倍派幹部に政治倫理審査会への自発的な出席を指導すべきだ。
首相 自発的である以上、促すことができる立場ではない。
米山氏 矛盾を解いてこいと言うべきではないか。全員の話が一致しないのはおかしい。
首相 最終的に判断するのは個人だが、正直に言って出るべきだと思う。政倫審の場は最大限に活用するのが国会議員のあるべき姿だ。
今井雅人氏(立民)来年の参院選の公認について、自民党派閥裏金事件の関係議員は政倫審への公開での出席を条件にすべきだ。
首相 国民に対する説明責任を果たしているかどうかが大切な基準となるのは当然だ。
奥野総一郎氏(立民)旧安倍派会計責任者の公判で、裏金還流再開の経緯などが明らかになった。自民党総裁として、再調査する必要はないということでいいのか。
首相 答弁に変更はない。
【核廃絶】
重徳氏 日本原水爆被害者団体協議会(被団協)がノーベル平和賞を受賞し、その取り組みはこれまで以上に国際的なプレゼンスを高めていく。核兵器禁止条約締約国会議にオブザーバー参加しないのか。
首相 被団協の長年の核廃絶に向けた発信、努力が報われた。これから先も活動してほしい。オブザーバー参加にどのような意義があるのかを検討する。
【安全保障】
中谷真一氏(自民)アジア版NATO(北大西洋条約機構)の考え方を聞きたい。
首相 ウクライナは明日のアジアかもしれない。対応を考えておかないのは無責任で、最初から駄目だと決め付けるのは思考停止だ。
【価格転嫁】
新藤義孝氏(自民)中小企業の賃上げに向け、価格転嫁をどう実現させるのか。
武藤容治経済産業相 公正取引委員会と連携した下請法改正の検討や全国で取引実態に関する情報収集態勢強化など、取引適正化のための取り組みを徹底する。
〔共同〕
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