『選挙』をめぐっては、SNSの影響力が高まっている。
先月の兵庫県知事選挙ではパワハラの疑いなどで県議会から全会一致で不信任を議決され失職した斎藤 元彦さんが再選を果たした。
【兵庫県 斎藤 元彦 知事】
「何が正しくて何が真実か。そして、どうあるべきかということを一人一人の県民が判断した。県民一人一人の勝利だ」
世論調査で厳しい戦いが予想されていた斎藤さんの当選に大きく作用したとされるのが『SNS』。政治学が専門の熊本大学・伊藤 洋典 教授はこの結果に驚いたと話す。
【熊本大学 伊藤 洋典 教授】
「欲しい情報がSNS経由でしか入らない状況が、もしかしたらもう出来ていて、選挙戦の主戦場が新聞・テレビのオールドメディアから新しいところに移っているのかもしれない。それくらいの印象を受けた。選挙報道の公平性・中立性の観念に必要以上に縛られている。報道の質・量ともにSNSに比べ相当見劣りする状況になっている印象」
伊藤 教授は「日本の選挙期間が海外に比べて短いことも背景にある」とした上で「短期間で注目を集めるSNSの手法や奇抜な行動を取る候補者に、有権者が安易に流されないことも今後重要になる」と指摘する。
【熊本大学 伊藤 洋典 教授】
「短期的に印象付けるだけの選挙活動は有権者にとっても意味がない。政策についての情報が有権者に届いて初めて選挙は意味がある。選挙そのものが意味のない〈お祭り〉みたいなものになってしまう危惧を感じている。今の時代に合った形に変えていくのが大事」
一方、来年夏の参議院選挙。県内でも1議席をめぐり、与野党の動きが加速するとみられる。
3回目の当選を狙うのは自民党・現職の馬場 成志さん。
10月の衆院選では自民党県連の選対本部で総選挙長を務め、次は、自身の選挙戦に臨む。
8日は現職の国会議員として八代市に入り、国交省の砂防事業の着工式に参加した。
【自民党 馬場 成志 参議院議員】
「来年も厳しい状況の中で選挙戦に突入することが考えられるが、(県の課題や展望の)一つひとつを着実に手伝えるように働きたい。そのためには県民と会える機会を少しでもつくって、理解を広げる努力をしたい」
県内の野党は候補者の擁立を急いでいる。
【立憲民主党県連 鎌田 聡 代表】
「(衆院選の)結果も踏まえて〈来年の参院選こそはなんとしても議席を獲得した〉という思いで候補者選考を進めている。(これまでの野党共闘の)枠組みの外の政党にもしっかり応援してもらえる人を選びたい」
立憲民主党県連の鎌田 聡 代表は、これまでの『野党共闘』の枠組みを超えた他の政党とも連携を検討している。
また、日本維新の会・熊本支部の井坂 隆寛 幹事長は「候補者擁立を検討中」。
参政党県連の高井 千歳 会長は「候補者を擁立する予定」としている。
こうした中、立憲民主党の野田 代表と日本維新の会の吉村 代表は8日、フジテレビの番組に出演し、来年の参院選で野党の候補者の一本化を進める方針で一致した。
衆院選で維新の前職として東京7区から出馬したが、立憲との候補者一本化ができず、議席を失った元熊本県副知事の小野 泰輔さんはこうした動きについて・・・。
【小野 泰輔 元衆議院議員】
「参院選の1人区(の候補者を)どうやって調整するかが一番大事。本気で(与党の)過半数割れを参議院でも実現するんだという、そういう本気度合いをちゃんと国民に見せることだと思う」
小野さんは今後、維新を離党し、熊本を中心に無所属で活動を続けるという。
【小野 泰輔 元衆議院議員】
「参院選はどこどこから(出ないか)みたいな話とか、あるいはどっかの首長とか、
『どっかでやらないか』という声は当然いただいてはいる」
参院選などへの出馬の打診を受けていることを明かしたが、「政治家にこだわらず幅広く物事を見ていきたい」と述べた。
自民1強が続く熊本で野党がどう存在感を高めるのか今後、参院選に向けた動きが注目される。
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