石破茂首相（自民党総裁）は8日、党本部で10月の衆院選の落選者との懇談会に参加した。出席者から党派閥の政治資金問題を巡り早期に決着をつけるべきだとの意見が相次いだ。
同党によると、およそ100人が懇談会に参加した。首相は懇談会の冒頭であいさつし、衆院選の大敗について「総裁たる私の責任だ」と陳謝した。
下村博文元政調会長は懇談会後、記者団に衆院選の大敗に関し「執行部による決定的な戦略ミスだ」と断じた。
党が選挙期間中に非公認候補の党支部に2000万円を支給したことに関し「ものすごい影響があった。2000万円問題がなければ自民党はもっと議席を維持できたのではないか」と話した。
「石破総裁が政治とカネの問題にきちんとけじめをつけないと来年の都議選や参院選に勝てない」と主張した。同氏は衆院選で党から公認を得られなかった。
衛藤征士郎元衆院副議長は「いわゆる『裏金』の問題は自民党としては終結したという宣言をすべきだ」と提唱した。渡辺博道元復興相も政治資金問題で「けじめをつけるべきだ」と訴えた。
橋本岳元厚生労働副大臣は政治不信の払拭に向けた具体策を「自民党から提案していく必要がある」と唱えた。
政策への注文も出た。牧原秀樹前法相は「自身が何をやりたくて首相になったのか。せっかく首相になったのだから貫いてほしい」と述べた。首相は安全保障政策などで就任前からの発言の変化を追及される場面が目立つ。
渡嘉敷奈緒美元環境副大臣は「政策を訴えるときに『何かを守る』では訴えにくい。短い言葉で夢を見れるような政策を出してほしい」と求めた。首相は衆院選で「地方を守る」などのスローガンを掲げた。
出席者によると、党執行部に辞任を求める意見は目立たなかったという。ある出席者は次期衆院選の予定候補となる支部長の選任で不利になりかねないと懸念するためだと説明した。
首相は懇談会後、記者団に「非現職の方ほど地域に密着している。意見を聞きながら、より良い党運営に努めていきたい」と強調した。
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