衆院予算委で立憲民主・野田代表(左端)の質問に答える石破首相(5日)

衆院予算委員会集中審議の論戦のポイントは次の通り。

【自民派閥政治資金問題】

野田佳彦氏(立民) 再調査が必要ではないか。

石破茂首相 新たな事実が判明したとは認識していない。

野田氏 旧安倍派会計責任者の参考人招致を要求する。

【政治改革】

野田氏 企業・団体献金は禁止するべきだ。

首相 禁止よりも公開が自民党の一貫した立場だ。

野田氏 企業献金の問題を含め、年内に決着をつけるべきだ。

首相 私の立場でいつまでにということは申し上げるべきではない。

大西健介氏(立民) 企業献金と政党交付金の二重取りをやめるべきだ。

首相 公的助成だけで運営されることが、民主主義の政党として良いとは思わない。

岩谷良平氏(維新) 自民党案は政策活動費を廃止すると言いながら、政党支出の一部に使途非公表を認める例外がある。

首相 抜け穴という、自分たちが利益を得ることは全く考えていない。

岩谷氏 企業献金は禁止すべきだ。

首相 献金で政策がゆがめられたとの記憶はない。

山下貴司氏(自民) 政治改革への本気度は。

首相 年内の政治資金規正法改正を含め、与野党で答えを出すようぜひお願いしたい。自民党総裁として、政府としてできる限りのことをしなければならない。

河西宏一氏(公明) 政治資金を監査する第三者機関は行政に置くべきだ。

首相 国会に置くべきだと考えている。政治活動が行政の監視下にあるという事態が起こってはならない。

【2千万円問題】

田村智子氏(共産) 衆院選で、自民の非公認候補が代表を務める政党支部に、公認候補と同額の2千万円が支給された。事実上の裏公認だ。

首相 違う。党勢拡大や政策の周知徹底に、法律の範囲内で使うのは当然だ。

【少数与党】

小野寺五典氏(自民) 少数与党の政策協議の在り方は。

首相 与党も野党もなく民主主義の健全な発展のために謙虚に議論する。

小野寺氏 野党と協力し、熟議が必要だ。

首相 選挙結果は国民の率直な自民への厳しい姿勢だ。国会だけで決めればいいのではなく、主権者である国民にいかに納得をいただくのかが大事だ。

【年収の壁】

小野寺氏 「年収の壁」引き上げの見解は。

首相 最大の問題は人手不足だ。人手不足を解消し、働く意欲を持つ方々が目いっぱい働ける社会をつくることが、第一の目的でなければならない。

【選択的夫婦別姓】

山下氏 家族の姓の問題について見解を。

首相 いつまでも引きずっていい話だとは思っていない。国民に対してどういう責任を果たすのかを各党は考え、答えを出す責任がある。

岡本章子氏(立民) 通常国会で別姓の法案を再度提出する。結論を出すべきではないか。

首相 異論を唱える人も納得してもらえるよう努力しなければならない。

【防災庁】

小野寺氏 能登半島地震の復旧、復興について対応すべき課題は多い。

首相 予知や避難所の体制をつくっていくことが、国民に対して果たすべき使命だ。

【基礎的財政収支】

古川元久氏(国民) デフレに逆戻りするかもしれない。政府が目標に掲げる2025年度の国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字化にこだわる必要はない。

首相 固執するわけではないが、黒字化の旗は常に念頭に置かなければならない。

【核兵器禁止条約】

櫛渕万里氏(れいわ) 核兵器禁止条約締約国会議にオブザーバー参加すべきだ。「核の傘」の下にいる欧州諸国も参加している。

首相 ドイツやオーストラリアなどが参加しているが、どのように議論に寄与したかよく検証したい。〔共同〕

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