石破茂首相は4日に首相官邸で、来日しているスウェーデンのクリステション首相と会談した。2国間の関係を「戦略的パートナー」に格上げすることで一致し、共同声明をとりまとめた。安全保障や経済など幅広い分野で連携を深める。
ロシアによるウクライナ侵略を受け、スウェーデンは3月に従来の中立政策を転換して米欧の軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)に加盟した。日本とスウェーデンは法の支配といった価値や原則を共有する重要なパートナーという位置づけだった。
石破首相は会談の冒頭で「安全保障の協力を深めたい」と語った。デジタルや科学技術、環境分野などでの協力も着実に積み重ねると強調した。
両首脳は防衛装備・技術協力を具体化していくと確認した。日本から装備品を輸出する際に必要な「防衛装備品・技術移転協定」を両国は結んでいる。
スウェーデンの首相の来日は16年ぶりとなる。外務省幹部は今回の来日について「中立からNATO加盟を経て、西側と安保分野で協力するというスウェーデン側の意志の表れだ」と説明する。
経済安保分野ではサプライチェーン(供給網)の強靱(きょうじん)化で合意した。ロシアのウクライナ侵略を重ねて非難し、ウクライナの支援継続を表明した。北朝鮮への対応でも緊密に意思疎通すると申し合わせた。原子力技術などエネルギー分野に関する覚書も交わした。
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