衆院の与野党7会派は4日に国会内で、調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の改革に向けた協議会を開いた。座長を務める自民党の村井英樹氏は使途公開と残金返納を義務づける歳費法の改正案を今国会で成立させる案を提示した。2025年7月1日の施行を想定する。

各会派の代表者は持ち帰った。

旧文通費は国会議員に歳費とは別に非課税で月100万円を支給する。村井氏が示した座長案は収支報告書と領収書を年1回提出するよう求めることも盛り込んだ。使途の範囲、公開や返納の方法といった制度の詳細を25年3月までに決めると明記し、年内の結論先送りを提案した。

村井氏は協議会の終了後、記者団に自身の案に「多くの方から賛同の意見が示された」と説明した。次回会合を来週にも開き、意見集約する。

旧文通費は歳費法で国政に関する調査・研究や広報などに使うと定める。使途を公開したり、未使用分を返納したりする義務はない。透明性が低く、議員の「第2の財布」と呼ばれる。

日本維新の会がかねて旧文通費の改革を訴えてきた。21年衆院選後、新人議員が在職1日で1カ月分の満額を受け取った問題を受け、22年2月に与野党間の協議が始まった。同年の法改正で日割り支給に制度を変えた後は議論が進展していない。

先の通常国会会期中の5月に、維新の馬場伸幸代表(当時)と自民党総裁の岸田文雄首相(同)が使途公開、残金返納の法制化を進めると合意したものの、会期終盤で進展はなかった。

衆院は閉会中の8〜9月、山口俊一前議院運営委員長が主導して大島理森元議長ら有識者から意見を聞き取った。ヒアリングでは使途の範囲を事務所費や人件費などに限定し、使い道を公開することを求める意見が出た。

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